電場技術による低温冷蔵保存とオゾン発生で鮮度保持
2024/11/12
COLUMN
電場技術による低温冷蔵保存とオゾン発生で鮮度保持
食品業界において、鮮度保持は非常に重要な課題です。果物や野菜は、時間が経つにつれて劣化しやすく、消費者に届けるまでの間に品質を保つことが求められます。近年、電場を利用して鮮度を保持する技術が注目を集めており、その中でも氷点下での冷蔵保存やオゾン発生による効果が大きく取り上げられています。この記事では、この「氷点下での冷蔵保存とオゾン発生」を使った鮮度保持の仕組みについて、具体例を交えながら解説します。
電場による氷点下での冷蔵保存
食材に電場をかけることで氷点下での冷蔵保存が可能となります。食材に高電圧を印加することで、周囲の温度が-1°Cから-2°C程度の低温であっても、食材が凍結しにくい環境を作り出すことができます。通常、果物や野菜は低温にさらされると凍結して細胞が壊れ、品質が劣化しますが、この技術では凍結が防がれるため、低温下でも鮮度を保つことができます。
低温で代謝が落ちると、果物の呼吸活動が減少し、結果として鮮度が保持されます。この技術は、単に温度を下げるだけでなく、果物の代謝を抑制する効果も持っているため、従来の冷蔵技術に比べて効果的です。
電場によるオゾンの発生
食材に電場による電圧の印加をおこなうと、高電圧が加えられた食材から空気中へ放電する際に表面にオゾンが発生します。オゾンは強い酸化力を持っており、微生物の増殖を抑えたり、エチレンガスなどの熟成を促進する物質を分解したりする効果があります。これにより、果物の熟成を遅らせ、長期間にわたって鮮度を保つことができます。
オゾンの働きと鮮度保持への影響
オゾンは自然界でも強力な殺菌作用を持つ物質です。オゾン分子(O₃)は非常に不安定であり、他の物質と結びつくことで酸素(O₂)に分解されます。この過程で、細菌やウイルスを死滅させる作用があり、食品の保存において非常に効果的です。さらに、オゾンはエチレンガスを分解する特性も持っています。エチレンガスは果物や野菜が自然に放出するホルモンで、熟成を加速させる役割を果たします。しかし、オゾンがエチレンを分解することで、果物の熟成が遅くなり、長期間の鮮度保持が可能になります。
たとえば、リンゴを梨と同じ箱に入れて保存する場合、通常であればリンゴから放出されるエチレンガスが梨に影響を与え、梨の熟成が加速します。しかし、オゾンの作用によってエチレンガスが分解されるため、リンゴと梨を同じ環境で保存しても、それぞれが長持ちするのです。
電場技術に置ける蔵番
「蔵番」は、床や棚に設置された電極を通じて食材に直接電圧をかけることにより鮮度を保持する技術で、約5000ボルトの高電圧を利用します。特に「蔵番」は使用する高電圧を無駄なく食材に加えることができるような絶縁設計を行っているため、安全性も高く、食材を庫内のどこに置いても効果的です。
この高電圧によってオゾンが発生し、菌の増殖を防ぐ効果があります。また、印加方法の変動「フラクチュレーション」により、さらに抑制効果を高めています。
まとめ
電圧とオゾン発生による鮮度保持技術は、果物や野菜など生鮮食品の鮮度保持可能期間を大きく変える可能性を秘めています。弊社の「蔵番」はこの技術を最大限に活かし、食品の新鮮な長期保存をサポートし、食品廃棄物の削減にも寄与します。
また、弊社では業務用の鮮度保持冷蔵庫を、コンテナ型から大型・小型まで幅広く取り揃えており、店舗や厨房に応じた最適なご提案をさせていただきます。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
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